文芸的な作文をしようと思ったが,自分が文芸的と感じる感覚はほとんど叫びのようなものだと気が付いて,強くためらい,やめた.欲求不満をテクストに託して,何になるのかわからなかった.ましてそれを作品化して,何になるのか.もしかしたら,作文が何かになるのを期待すること自体,なにか大きな誤解の上に成り立っている感情なのかもしれない.

雨が降っている.雨だれが珍しく,バルコニーを濡らしている.強い雨だ.もう冬の雨ではない.今年,雪は結局,1度しか見なかった.世田谷に降る雪をもっと見たかった.

アルコールの副作用に悩まされた日だった.そう思い込みたいからそう思い込んでいるが,果たしてアルコールの主作用とはなんだ.選択と後悔.懐かしい再会.生活と呼べるものが身体の周辺に存在していた頃の記憶が舞い上がった.