Entries from 2020-07-01 to 1 month

差について考えていた.僕はとても遅れていた.まだ子供のまま,色々なことから逃げたまま,終わらせられないまま,時間にまかせてすべてが取り返しのつかない状態になるのを,これまでただ待っていた.それではいけないな,と思った. 自分を綺麗にしなくて…

感覚が波を打って押し寄せてくる.劣等感と無関心がつがいになって繁殖する.低い天井に手を伸ばして,指先で撫でる想像をする. ここを廃墟にしてしまうのが惜しくなった.廃墟になることを望まない人がいるのを知った.これまでのように埋め尽くすような書…

かぞへうた 人のまなこに (一) 蓋をして (二) 見つめし (三) 夜更け (四) いつも (五) むつかし (六) いくさ場の (幾) 名無き (七) やつがれ (八) ここのみに (九) とをく聲聞く (十) かぞへうた 旗散らし (二十) 身そのままに (三十) 他所へ (四十) 急げる …

じりじりと,結末へとにじり寄るように物語を書いている.こういう書き方を試みるのは初めてで,まだ調子がつかめていない.とはいえ,長い物語を書くためのコツというか,秘訣のようなものを掴みつつある. いままで僕は,自分の発想にあるものをなるべくそ…

指先から滴るもの.僕の指先は広義の詩のためだけにある.僕の指先は詩的なものを紡ぐためだけの筆のようなもので,そのようなもので紡がれたものは,言葉であれ旋律であれ少女であれアルゴリズムであれ,すべて詩であり,詩でいいのだ. 僕は詩人として生き…

少しずつ,動き出す.穏やかな加速度を感じる.小さな意識はすぐに萎縮して立ち止まる.不気味に凪いだ薄明かりの中を,ふわふわと透明な風船のように,目的なくさまよう.僕は最近ようやく,それを,その無目的や,無軌道や,不気味さや,薄暗さや,透明さ…

短い眠りから覚めたとき,そこに広がる景色はとても綺麗だった. 昔歩いた道をまた歩いた.昔ここを1人で歩いていたとき,僕はもしかしたらこんな光景を夢に見ていたのかもしれないな,と思った. 梅雨の晴れ間は光のカーテンのように揺れた.公園には大人と…