Entries from 2020-01-01 to 1 year

博物学ドキュメントシリーズを再読する.くだらないが面白い.くだらなさにとことん付き合うのは人間的美徳だとつくづく感じる.くだらないものにいくら付き合ってもくだらない結論しか出てこないのだけど,くだらないことに一生懸命なその姿勢そのものはほ…

誕生日だ.数年前までは誕生日のたびに暗い暗い文章を書いて,自分で読み返してげんなりしたりもしていたのだが,あまりにも不毛なのできっぱりやめた.今思えば何のためにあんなことをしていたのか見当がつかない.どうかしていたのだろうな.もっとも,僕…

アドベントカレンダーのための資料集めを始めた.資料といっても大したものじゃない.手元にあるどうも読みあぐねていた本をがさっと抱えて,パラパラと斜めに拾い読みしながらそそるテーマを漫然と探す. ひとつは,こんな作業をはじめる前から決まっていた…

アドベントカレンダーに参加してみる.実は初めてなんじゃないだろうか.自称するのも憚られるが僕は筆まめで,まあここに残った色んな書き物の痕跡からも窺えるというものだが,日々色んなものを書く.数式,プログラム,英語,日本語,その他,諸々.そん…

逃避と格闘.合理性からの逃避と合理性との格闘.僕は永遠にこれを続けていく.続いてしまうのだから仕方ない.負ける戦いを続けていくうちに,負け方も上手くなってくる.上手に負けて,また立ち上がって,さあもう一度.何度でも僕は殺害されて,何度でも…

大いなる感情.すごく大きくて強い感情.僕の暮らしそのものを包み込んで,もう抜け出し方も分からなくなってしまった.ずっと探してきたもの.ずっと前に,軽々に失って,それ以来陰日向に追い求めてきた感情.感情の獲得はこれまで虚しいものばかりだった…

顔が変わってきた.僕は自分の顔についての評価がほとんどないので,これが良い変化か悪い変化かは分からない.老いてきているのだろう.鳥も国も,人も時も,みな老いていく.そう思いながら,心臓の鼓動を,静かに味わう. 若くありたいとは思わない.きっ…

記憶の復活.それが最近の人生のテーマだ.新しいことを始めることは,僕にとってはまるでコストではない.それを思いとどまることの方がコストだ.そして,このコストはペイする.そんなことは僕が一番分かっている.だからこそ,止まること,留まることへ…

いまだに大量の文章を書いている.そのほとんどが勝手気ままに書いたものだ.強いられて書くのが嫌いで,きままに書くのが好きだ.僕は勝手気ままに出来ることは全部大好きで,強いられてすることは全部大嫌いだ.つくづく,社会ってやつに向いていないなあ…

演出されたシンプルほど腹立たしい欺瞞はない.僕はその向きのシンプルが大嫌いだ.本質的にシンプルなものがシンプルであるのは構わない.それはただ,美しいだけだからだ.しかし,インターフェイスだけやけにシンプルそうに見えて,その実,中身は散漫で…

唐突に,髪を切った.ずっと何故か切らずにいたので,とうとう切った.気持ちがいい.髪を切るたびに思うことふたつある.ひとつは先述の通りだ.気持ちがいい.もうひとつは相反するようだが,二度と髪なんて切りたくない.次に髪を切るのはいつだろう.案…

すべてを叶えたくなる.望みが聴こえる.欲望が見える.僕は感覚している.そして僕の感覚可能なすべてを叶えたくなる.エゴイズムでもいい.僕が叶うべきと思うなら,それは叶うべきことだからだ. 忘れるべきことは僕が選ぼう.漏れなく,重なりなく,ひと…

美しいものを間近でずっと眺めていると,視覚が心地よく麻痺する.心地よいといっても麻痺は麻痺なので,やはり麻痺なりの負の効用がある.というのは,美しくないものを目撃した時の反応が激しくなる.醜いものを見た時,思わずのけぞりそうになる.自分で…

とにもかくにも,また新しいことを思い付いたので,また新しいことを学ばなくてはいけない.新しいことを思いつくたびに新しいことを学んで,そんなことを何年もずっと,いや,きっと生まれてこの方ずっと延々繰り返してきた結果,自分でも何がなんだかよく…

解釈と事実.美術史を片手間に勉強していて,このあたりの切り分けが非常にあいまいなことに戸惑う.少し前,物理学に凝ってあれこれと手をつけていた頃,定義,命題,定理,証明,補題,といった基本的な意味の切り分けについて物理学書はとてもおおらかで…

また思いついてしまった.思いついてしまったら行動に移すしかない.思いついてしまったことを,行動に移さずにいられるような強靭な理性と合理性が備わっていたなら,いま,僕の人生はこんなふうになってはいない.そして,今の自分の人生を後悔こそすれ,…

主義,という訳語について.主義という訳語があまりしっくりこない場面が多い.この語が使用される場面は主に二つあって,ひとつは principle の訳語として,もう一つは -ism の訳語としてだ.かたや単純な一般名詞であり,かたや接尾辞,ということ.このへ…

なんで今更経済学か,と,聞かれたことはないけど,自分なりの考えはあって,というのは,別に経済に興味がないからだ.経済に興味がないし,なんとなれば,なるべくそんなものに興味を持ちたくもない.だから経済学を少しやっている. 経済に興味を持たない…

近頃あまり作文をしていない.なぜかというと,よくわからない.脳のリソースというのは無論有限なので,それらが全て数学と計算機に注がれている今,それらと同様か,あるいはそれ以上にコストの高い作文という行為を避けているのは,僕の脳味噌の防衛本能…

ポッカリと時間ができて,少し持て余してしまうかもな,という,自分らしくない危惧は,やはり自分らしくなかったようで,数学と計算機について調べるだけで,時間はあっという間に過ぎていく.せっかくの自由時間,思いっきり好きな勉強ができて嬉しいのだ…

夢の中でピアノを弾いていたらしい.夢の中で数学をやっていたらしい.指は動き,コンパクトな錐を扱って唸っていたという.そのうち夢の中でそれなりの長さの小説を一編書き上げたりするのかもしれない. 長いこと手元にあった手紙を渡した.喜んでもらえて…

今日も相変わらず数学のようなことをして過ごした.僕の専門は計算機科学にもよく応用されているけれど,本領は証明論における構成的な論理の下地作りであって,応用を前提とした構成になってはいない.コンピュータをある視点から捉えると,コンピュータの…

Haskell 的な Monad を Ruby で再現したものを書こうとして,書いた.とある向きへの解説のためだ.書くだけは書いたが,型情報をメソッドの上にコメントに記載する方式ではやはりプログラムとしての見通しが悪い.なにより,この手の演算について本質的な型…

"Working with Unix Processes" を読んでいる.名著だ.邦訳がなかったら僕が訳していたかもしれない.邦訳がないもので僕が真っ先に翻訳を完成させるべきなのは,おそらく "How to Design Programs" なのだけど,なにぶん大著なもので,いくら訳してもちっ…

僕はそろそろ職業人としてのプログラマではなくなる.そのことについては,自分でもそれなりの感慨がある.こういう活動……というのは,プログラムの設計と記述だが,それを生活の糧とすることが,そしてそれが可能なことが,とても自分らしいと思っていたし…

具合が悪かった.簡単に言えば病気になった.病気には慣れているので,それについては特になにも思わなかった.昔は僕も,病気になるたび,そのことについてあれこれ逡巡したり,心配したりしていたのだろうか.思い出せない.病気と聞いて思い出せるものは…

思考のメモを書いては捨てて,書いては捨てて,取っておこうと思って無くして,捨てたと思ったものが紙屑になって発見されて,僕の思考の断片はセルロースの繊維に滲んで一帯に散逸している.特に気がかりでもなかったし,結局アクティブな知識としていい速…

己をあらためて省みると,他人すなわち尋常なる他人との違いは大して大きいものではない.いや,大きいには大きいに違いないが,多くはない.多くはないどころか少ない.少ないというのはあくまで何かと比べたときの話であり,何と比べるかによってその多寡…

翻訳の日々.近頃は延々と英語を読み,淡々と日本語に直す.そんな作業を場当たり的に続けている.これが楽しい.すごく.中学時分に英語を学び始めた時,これが一生の趣味になるだなんて,誰が思うだろう.おそらく,誰も思わないし,ほとんどの人はそんな…

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火を籠めて 闇に飛沫けり 一滴の線香花火 夏のとむらひ 月いでよ かくうるはしきほほえみを 照らさで他の何をか照らさむ くちなしの香もて結ひたる黒髪の綾目留めき万朶の飾り 宵雨の名残りを受けて 池の端 ひとえの袖に泳ぐ流金も ありあけに きみの呼吸は…