待たせてごめん.きっとずっと僕が来るのを待っている.かつてのあなただったら今の姿を僕に見せたくないだろうなと思って,時世を言い訳に会わずにおこうと,ずっと思っていた.だけど,たぶんずっと僕を待っているんだろうね.心配ばかりかけたし,迷惑ばかりかけてしまって,結局,身を持ち崩しそうな僕のことしかまだあなたは知らないままだから,そしてそのことにあなたは全然納得していないのだろうから,だからまだ,そこから離れられないんだろうと思う.

僕は大丈夫.やるべきこともあるし,守るものもある.たくさんのものを失ったけど,たくさんのものを取り戻した.そろそろ取り戻し過ぎて,僕の両腕では抱えきれなくなるかもしれない.形容詞の定義にもよるけど,豊かに生きていけると思う.自分の能力を自覚した上で,時々賭けに出たり,挑戦したりしながら,刺激を選べる立場にもなった.だから僕はもう大丈夫.ダメな僕しか知らないあなたには信じられないかもしれないけれど,本当に大丈夫.

だからそのことを伝えにいかないと.大丈夫になった僕を見せにいかないと.安心してもらわないと.もう伝わらないかもしれないけど,両手いっぱいのありがとうとごめんねを,最後にきちんと言葉にしないと.きっと行くから,もう少しだけ待っていてね.すぐに行くから.もう少しだけ頑張ってね.