スープを作る.スープを作ることにした.朝にだ.可能なら毎朝だが,まあ無理だろう.作りたい朝に作ることになりそうだが,そう言っているとなかなか興に乗らないもので,妻に対する非言語の詫び状として,すくなくとも向こう2ヶ月は続けていきたいと思う.

いちおう,そのための本も買った.この,買ってきた本の著者というのが,どうやら日本のスープ界ではひとかどの人物らしく,本の内容もすこぶるよい.まだ作ってもいないレシピ本の内容を作る前から絶賛するのは不誠実極まりないけれども,まあそれはおくとして,随所織り込まれたエッセイ風の短文に,こんにち彼女がスープ界でひとかどの人物となった,その経緯や背景が書かれている.その経緯や背景も,それらについての語り口も,とてもよい.生活の実感と,ものつくりに対しての深い主体性が感じられる.

こういうところで波長があうと,読者としても"よしこの人についてゆこう"とにわかに意気込むものだ.さて今夜は何を作ろうか.積んだレシピと睨めっこ.