ゲド戦記,という邦題が本当に気に食わなくて,だって全然戦記じゃないし,そもそもゲドが主人公なのも第1巻だけだし,それをシリーズ全体の名前としてラベルしてしまうセンスに腹が立つし,Eathsea っていう素晴らしい,作品世界を包括する完璧な名前が用意されているのにそれを意図的に無視する意味もわからなくて,そこに関してはとにかく文句しかないんだけど,逆にいうとそこ以外は本当に完璧な作品である A Wizard of Eathsea を読み直している.これがヤバいほど面白くてヤバい.誰が読むでもないこんな日記で絶賛しても本当に仕方ないんだが,大人になりきれないおじさんという立場でこれを今読んでしまうともう感涙滂沱.以前読んだのが5年くらい前だったんだけど,その時よりも確実に,なんというか,身につまされる部分が増えている気がする.あと文章がうまい.児童文学ってこうじゃなきゃいけないよな.