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巨大とは孤独か 孤独は苦しいか 鯨の尾鰭の骨を撫で問ふ

歌にするまでもなく既に歌である君をこうして歌にした歌

完全な後ろ姿のかたわらの陶器の罅に這い寄る静寂(しじま)

言葉にはならぬもの 言葉そのもの 詩も歌も夢も声も光も

部屋であることを忘れた空間に置き去られたる青い封筒

僕の手を取れ 踊ろう この窓のない無菌室の暗がりでワルツを