アドベントカレンダーのための資料集めを始めた.資料といっても大したものじゃない.手元にあるどうも読みあぐねていた本をがさっと抱えて,パラパラと斜めに拾い読みしながらそそるテーマを漫然と探す.

ひとつは,こんな作業をはじめる前から決まっていた.弓について.古今東西の弓の達人についての様々な伝記伝説の類をかき集めてガバッとひとまとめにしてみたい.

博品社のかつての逸品,博物学ドキュメントシリーズから,『スキタイの子羊』が目に止まったので,これを読んでいるうち,奇妙な記述に突き当たる.この本は羊肉の成る木についての,本邦でいうところの民俗学的な内容なのだが,この,羊肉の成る木から収穫した羊肉からは"蟹の味がした"とする証言があるというのだ.面白い.もうそれは羊肉ではなくて蟹の肉ではないか.というところから着想して,様々想いを巡らせてみたい.