眠れぬ夜だ.眠れぬ夜にすることといえば相場は決まっている.計算か作文だ.計算は寝転がりながらだと少々難しい.計算機は寝転がって使われることを想定した作りになっていないし,なにより,寝転がったまま計算に必要な能力を発揮するのは難儀だ.やはりここは,だらっと作業したい.だらっと行う作業として,作文以上にうってつけのものはない.あるかもしれないが,僕にはちょっと思いつかない.こうしてスマートホン片手に物を書いていれば,寝返りの一つ二つはまるで問題にならないし,フリック入力の発明によって入力速度もなかなか申し分ない.強いて言えば視野が多少狭くなるが,もともと広範な視野を求める物書きではないので,その辺りも特に問題ない.さて,なにを書こうか.今の僕には何が書ける?なんでも書ける.詩でも手紙でも,ここに書く物の宛先はもう決まっているのだから.