流れるように言葉を吐き続けたら,心がずいぶんと軽くなった.言葉を溜め込むと,一言一言がやけに重たくなっていけない.もちろん軽薄なことが言いたいわけではない.軽薄さにある種の美徳を感じないわけではないが,積極的に軽薄な言葉を使いたいと思うほど僕は人間慣れしていないんだ.

言葉が重たいというのは,言葉を発するためのコストが高い状態を言う.こうなってしまうと余計に言葉が重たくなって,どんどん意識の中に,言葉になりきらなかったパロールジュレが溜まっていく.デフレだ.よくない.だからもっとたくさん言葉にしよう.もっと軽やかに言葉を使おう.僕なんてどうせ,言葉のことしか,いつも考えていないのだから,その考えももっと巧みに言葉にして,頭の中にわだかまって渦を巻く未言語デブリを,放出し続けよう.ロボトミーで空いた穴から,表現がどぼどぼと溢れ出す様を想像する.なんだか気持ちが良さそうだ.膿を出しているようだ.