たくさん入るとたくさん出てくる.なんだってそうだ.アウトプットが思ったようにいかない時は,だいたいインプットが足りない.うまく想像力が働かないときは,だいたい想像したいことについてあまり知らない.僕は想像力が豊かなほうではない.これってつまり,僕が何も知らないってことなのだろうか.なんて飛躍だらけの推論.推論としてはナンセンスでも,感想としてはどうだろう.どうもこうもないな.やっぱりナンセンスだ.だけど,ナンセンスなことを一切やめてしまったら,生きることがあまり面白くなくなりそうだな,と思う.もちろんこれだって,推論じゃなくて感想だ.なにせ感想だから,そこには根拠もなければ,主張もない.ただ,ことばを使いたいだけ.消えないことばを使いたいだけ.書いたことばは話したことばと違って,すぐには消えない.だから書いて,書き続けて,ことばをたくさん積み重ねて,自分と世界とのあいだに観念の橋をわたす.大切なはずの世界の在り処を,もう二度と見失わないために,いつでも確かめられるつながりをつくる.大きくて悲しくて完全で美しい世界,僕の劣等感の源であるこの素晴らしい世界を,いつでも思い出せるように.