指先から滴るもの.僕の指先は広義の詩のためだけにある.僕の指先は詩的なものを紡ぐためだけの筆のようなもので,そのようなもので紡がれたものは,言葉であれ旋律であれ少女であれアルゴリズムであれ,すべて詩であり,詩でいいのだ.

 

僕は詩人として生きてきたし,詩人として生きていく.自分の思い描く詩人としての素質を,僕は適度に満たしているように思うし,詩的なものに触れる時,僕の全身は詩人の身体として,いつもとても真剣だ.

 

その真剣さに,時々疲れてしまうこともある.でも,真剣だから疲れるんだ.何も逃したくない.すべてを知覚し,認識し,可能なら,理解したい.そして書き換える.僕にとって詩というのは,世界そのものを引数に取って僕の想像する世界を返却する,整然とした一つの関数だ.