人は勝手に傷つく.人は勝手に傷つける.誰かはいつだって他の誰かの刃物だ.抜身の刃でない人間など存在しない.だからこそ,人間は優しくなければいけない.すくなくとも,僕は優しい人間でありたい.

朝の空気が冷たい.風はあまりない.街を見下ろすことが減った.健康的だと思う.街だって僕に見下ろされるほど落ちぶれてはいないし,僕は何かを見下ろせば見下ろすほど,その何かについての敬意を失ってしまうようなダメな人間だ.