助けを待っている.

暗い場所.トンネルなのか,とにかく,陽の当たらない細長い,管の中を,同じ方向にずっと歩き続けている.誰かに会えるのを待ちながら歩いている.

助けてほしい.終わらせてほしい.僕は疲れ切っている.まだ疲れていなかった頃の自分を,うまく思い出すことすらできない.

助けを待っている.差し伸べられる手を夢想している.

苦しいし,解放してほしい.耐えているけれど,耐えられなくなりそうだ.耐えられなくなったらどうなるのか,わからない.考えたこともないし,考えたくもない.

洗練されてゆくのは自己否定ばかりだ.もう,自分を否定したくない.自我なんて消えてなくなればいい.肉体を残したまま,肺と心臓を動かしたまま,都合よく消滅する,安易な自我を祈っている.そうであれ.