結局,ずっと話していた.肺の違和感を引きずって歩いた.青空を,満開を控えた桜の花がまばらに遮っていた.もう冬は終わってしまって,春になって,僕はまたひとつ,形式的に時間を重ねる.積もり積もった時間の長さに手先がふるえる.無力感に膝が割れそうになる.傷だらけの精神性がこの春も軋む.乾き切ったひび割れが,やがて潤い,塞がるまで,あとどのくらいの時間が必要だろうか.僕はこのまま,ずっと手を伸ばしてきたそれを,掴み取ることが出来るのだろうか.出来るといい.そうあれかしと,今はただ,願うばかりだ.