短い眠りから覚めたとき,そこに広がる景色はとても綺麗だった.

昔歩いた道をまた歩いた.昔ここを1人で歩いていたとき,僕はもしかしたらこんな光景を夢に見ていたのかもしれないな,と思った.

梅雨の晴れ間は光のカーテンのように揺れた.公園には大人と子供と犬がいた.僕たちは大人でも子供でも犬でもなかった.疫病におびえる世界の片隅を,少し湿った夏の風が吹き抜けた.永遠のような日曜日だった.