珍しいものがみたい.砂漠に立ちたい.もうほとんど見かけなくなった,大好きな炭酸水が飲みたい.整えたい.夢を見たい.本を買いたい.楽器を鳴らしたい.おおきな声で歌いたい.世界を説明する力が欲しい.詩や小説が書きたい.美味しいものが食べたい.追いかけたい.手に入らないものに手を伸ばしたい.

 

自室でひとりだった.見ず知らずな人々と会話をした.計算をしたり,料理を作ったり,すこしだけ数学をしたりした.自分がこの世界にたった一人しかいないということに,どうも納得がいかなくて,冷めた紅茶に必要以上の砂糖を入れた.甘過ぎるはずだったのに,ちょうどよかった.