書きかけのものばかりだ.僕は何かと終わらせるのが苦手で,あれこれ手を付けては中途半端にしてしまう.それでも,比較的文章をまとめるのは得意で,なんとか書き終えたものにはタイトルを与えて,作品としてアーカイブしている.誰が読むかは知らないし,あまり誰かのために文章は書かないけれど,書かずにいるとうずうずしてきて,時折,たとえばこういう,次の行方も知らない夜に,猛烈な集中力でべたべたと,心の底を塗り込めるようにものを書く時がある.

色々な書き物を試した.俳句はまだ分からないけれど,この夏あたりからよく短歌を作るようになったし,詩作や物語に至ってはほとんど物心ついたときから行っている.広義の随想や表現のかたまりとしか呼びようのない,こういう雑多な文の連なりまで,本当に僕は色々とためしている.

試すことで何が変わるのかは分からない.きっと誰のためにもならないし,もはや自己目的化すら出来ていない気がしている.それでも僕はこれからも折に触れては,色々なものを色々な仕方で書いたり書かなかったりするのだろう.