感覚が波を打って押し寄せてくる.劣等感と無関心がつがいになって繁殖する.低い天井に手を伸ばして,指先で撫でる想像をする.

ここを廃墟にしてしまうのが惜しくなった.廃墟になることを望まない人がいるのを知った.これまでのように埋め尽くすような書き方はしないかもしれないけれど,書けることを書き残しておこうと思う.

また遠ざかってしまった未来に,すこしうんざりして,それでもやはり追いかけることをやめられない.書き始めた物語を中断させることがとても苦しいように,追い始めた未来を諦めることもすごく苦しい.救いは自分によってもたらすしかない.自己救済とは,いつも自分の積み荷を自分で下ろすことだ.僕は今きっと背負い過ぎている.ひとつずつ,自分を救ってゆく.