また,毎日毎日泣きたくなる日々が始まる.ずっと噛み締めていた漠然とした屈辱感や,それよりももっと漠然とした,輪郭のぼやけた不安や,ある種の劣等感.行きも帰りもそういうものに包まれながら暮らす日々がきっと始まる.それがとても悲しい.与えて奪って与えて奪って,その繰り返しばかり.そればかり繰り返す.僕はもう穴だらけで,自力では回復しきれないほどになってしまった.こんな身体になってもまだ僕の精神は自我を保っているし,絶望しきってもいない.当たり前のように,それでも生きていこうとしている.何を与えられても,なにを奪われても,そのうち完全になにも感じなくなって,僕は今のところの僕ではない,何か別な性質の生命体になるのだろうか.なれるならなってしまいたい.あまりにも無力で指先がふるえる.