あっという間に時間は過ぎていく.僕は変わっていく.変わっていって欲しくなかった多くのもの.変わって欲しかった多くのもの.大好きだったもの.許せなかったもの.どちらもたくさんある.記憶ばかり溢れてくる.最後,祝福で終えられなかったことを今更後悔している.後書きを書くような気持ちで,だから,せめてもの,心尽くしの祝福を書いた.祈りに似てしまった.似てしまった,というか,あれは,おそらく祈りそのものだった.自分を救うための,きっと祈りだった.僕は祈り方を知らない.正しく救われる方法も僕は知らない.こんなに救いを求めているのに,救われたことがないから救われ方が分からない.だから,自分で自分に祈るしかない.過ぎた日々の記憶の,ながくすこやかなることをただ,いまは祈る.