自己認識と格闘し続けている.自分が何者なのかについては既に自分なりの答えを出している.良くも悪くも,この世界の多くの場面で僕はアウトサイダーなのだろうし,そんなことはもうとっくに呑み込んでいるつもりだ.

それでも,やはり普通が遠い.普通に生きることがとても遠い.自分にはどうしてもできないことばかりが前提のこの世界で,僕はどこで自己主張したり,自己表現したり,自己評価したりすればいいのだろう.そんなことを,ずっと迷い続けている.

普通の人たちの無数の背中が見える.偉大なる遠い背中が見える.僕は彼や彼女から何周も遅れて,なお同じ場所に立てないまま,ただ逡巡している.昔は似たようなことを思うたびによく泣いていた.いまはなんとなくそれもできなくなった.いまの僕に出来ることは,ただ彷徨うことだけだ.どうしても痛みとは呼びたくない感覚が身体中を包んで,今日も呼吸が至極面倒くさい.