ポッカリと時間ができて,少し持て余してしまうかもな,という,自分らしくない危惧は,やはり自分らしくなかったようで,数学と計算機について調べるだけで,時間はあっという間に過ぎていく.せっかくの自由時間,思いっきり好きな勉強ができて嬉しいのだけど,好きな勉強であるだけに,それがこの束の間の自由時間では決して満足に終わらないことが,悔しい.僕は,ずっと数学をやって,計算機と会話して,物語を読み書きして,綺麗な女の子の横顔を眺めながら美味しいごはんが食べたい,ただそれだけの人間なんだ.こんなにシンプルなはずなのに,なぜかいつも自分の複雑さに戸惑う.そして戸惑っているうちに,時間は過ぎて,きっとまた,いつも通りの忙しい冬になるのだろう.コートをおろそう.いろいろと,待ち遠しい.