思えば,物書きのようなことを始めてからもう5年以上経つ.その間にも,日記以外ロクに書かない時期があったり,他人様から頼まれて原稿という体裁の文章を書いたり,詩としか呼べない短文に凝ったり,レトリックを駆使して物語を書いたり,なんだか色々なものを色々な場所に書き散らして,今の僕がいる.

僕の書いたものは,僕以上に僕を反映していると,今でもそう思う.これは別に,自然言語に限らず,プログラムでも,ちょっとした計算でも,なんであれ,言語的な表現として僕からアウトプットされたものは,すべて肉体的な存在としての僕よりも,僕らしいなと思う.直感的には,鏡を見るより,文章を読んだ方が,僕は自分の実態やその瞬間の存在形式を高い精度で把握できる.

それが人間としてどうなのか,と言われると,おそらく間違っているというか,決してオーソドックスな自己認識ではないのだろうが,特に不便もないので,きっとこのまま生きていく.